「月の売上がいくら以上あれば黒字になるのか?」——個人事業主やフリーランスにとって、この疑問に答えてくれるのが損益分岐点(BEP:Break Even Point)です。損益分岐点を知ることで、毎月「最低いくら売り上げなければならないか」という目標の下限が明確になります。
損益分岐点とは何か
損益分岐点とは、利益がゼロになる(赤字でも黒字でもない)売上高のことです。この金額を下回れば赤字、上回れば黒字になります。例えば損益分岐点が月50万円の事業なら、50万円以上売り上げれば利益が出ます。
📌 損益分岐点売上高 = この額を下回ると赤字 / 上回ると黒字になるラインです
固定費と変動費の違い
固定費
売上に関わらず毎月一定額かかる費用。家賃・人件費(正社員)・リース料・月額サービス費などが該当します。
変動費
売上に応じて増減する費用。仕入れ原価・外注費・成果報酬型広告費・決済手数料などが該当します。
損益分岐点の計算式
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ (1 − 変動費率)
変動費率 = 変動費 ÷ 売上高
変動費率 = 変動費 ÷ 売上高
「1 − 変動費率」は限界利益率(粗利率)とも呼ばれます。売上1円が利益にどれだけ貢献できるかを示す比率です。
実例:フリーランスWebデザイナーの場合
- 固定費:20万円(家賃3万・ソフト費2万・役員報酬15万)
- 変動費率:20%(外注費・決済手数料)
限界利益率 = 1 − 0.20 = 0.80
損益分岐点売上高 = 20万円 ÷ 0.80 = 25万円
損益分岐点売上高 = 20万円 ÷ 0.80 = 25万円
月25万円の売上で損益ゼロ。25万円超えた分の80%が純利益になります。
| 月売上 | 変動費 | 固定費 | 利益 |
|---|---|---|---|
| 20万円 | 4万円 | 20万円 | −4万円(赤字) |
| 25万円 | 5万円 | 20万円 | 0円(損益分岐点) |
| 35万円 | 7万円 | 20万円 | +8万円(黒字) |
| 50万円 | 10万円 | 20万円 | +20万円(黒字) |
損益分岐点を下げるための改善策
① 固定費を削減する
- 不要なソフトウェア・サービスの契約を見直す
- 在宅勤務で事務所費を削減する
② 変動費率を下げる(限界利益率を上げる)
- 仕入れコストの見直し・交渉
- 単価の高いサービス・商品へシフトする
- 外注から内製化を検討する
損益分岐点の把握は、値引き交渉や新規プロジェクト投資の判断にも役立ちます。「このプロジェクトを受けると固定費が増えるが、BEPはいくらになるか?」と試算する習慣をつけると、事業の安定性が格段に高まります。
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