元利均等返済と元金均等返済の違い:どちらが有利?

📅 2026年5月26日 ✍️ SimpleCalc編集部 住宅ローン

マイホームの購入に向けて住宅ローンを契約する際、多くの方が「金利タイプ(変動金利か固定金利か)」ばかりに気を取られがちです。しかし、実はそれと同じくらい総支払額に大きな影響を与えるのが「返済方式の選択」です。住宅ローンの返済方式には「元利均等返済(がんりきんとうへんさい)」と「元金均等返済(がんきんきんとうへんさい)」の2種類が存在します。一見似ている名前ですが、毎月の支払計画や完済までの総支払利息の額が大きく変わります。今回は、それぞれの方式の仕組みの違いから、メリット・デメリット、具体的な差額シミュレーション、そしてどちらを選ぶべきかの判断基準までを徹底解説します。

1. ローン返済の基礎:そもそも「元金」と「利息」とは?

返済方式の違いを理解する前に、住宅ローン返済における「2つの要素」を整理しておきましょう。

  • 元金(がんきん):金融機関から実際に借り入れた「元の金額」そのもののことです。例えば3,000万円借りたら、元金は3,000万円です。これを減らしていかないと借金は終わりません。
  • 利息(りそく):お金を借りた「レンタル料」として、元金に対して毎月金融機関に支払う手数料のことです。利息は「残っている元金の額」に「金利」をかけて計算されるため、元金が減れば減るほど、毎月の利息も少なくなります。

毎月の返済額は常に【 元金の返済分 + 利息の支払い分 】で構成されています。「元利均等返済」と「元金均等返済」の違いは、この「元金と利息のバランスをどう調整するか」という点にあります。

2. 元利均等返済の特徴とメリット・デメリット

💸 元利均等返済(がんりきんとうへんさい)

毎月の「返済額(元金+利息の合計)」が、返済の最初から最後までずっと一定(均一)になる方式です。

👍 メリット

  • 毎月の支払額がずっと変わらないため、家計の管理や長期的なライフプランが立てやすい。
  • 返済スタート時(初期)の毎月の支払額を、元金均等返済よりも安く抑えることができる。

👎 デメリット

  • 返済初期は「利息」の割合が高く、「元金」の返済に充てられる割合が少ない。そのため元金が減るスピードが遅く、結果的にトータルの「総支払利息」が多くなってしまう。

現在、日本の住宅ローン契約者の約90%以上がこの「元利均等返済」を選んでいます。

3. 元金均等返済の特徴とメリット・デメリット

📉 元金均等返済(がんきんきんとうへんさい)

毎月の支払いのうち、「元金の返済分」をずっと一定(均一)にし、そこに残高に応じた利息を上乗せして払う方式です。

👍 メリット

  • 毎月確実に決まった額の元金が減っていくため、元金の減るスピードが早い。結果としてトータルの「総支払利息」を大幅に安く抑えることができる。
  • 元金が減るにつれて利息も減るため、毎月の返済総額は年々少しずつ安くなっていく。

👎 デメリット

  • 元金が全く減っていない「返済第1回目(借入当初)」的支払額が最も高く、ローン契約直後の家計への負担が非常に大きい。
  • 借入当初の支払額が高くなるため、金融機関の審査が厳しくなる(借入可能額が減る)傾向がある。

4. 3,000万円借入時の返済額比較シミュレーション

言葉の説明だけでは分かりにくいため、実際に計算してみましょう。
【条件】借入額3,000万円 / 返済期間35年 / 年利1.50%(全期間固定)/ ボーナス払いなし

項目 元利均等返済 元金均等返済 差額
毎月の返済額 (1回目) 91,855 円 (ずっと一定) 108,928 円 元金均等の方が 17,073円 高い
毎月の返済額 (10年目) 91,855 円 96,071 円 元金均等の方が 4,216円 高い
毎月の返済額 (20年目) 91,855 円 80,000 円 元金均等の方が 11,855円 安い
総返済額 (元利合計) 38,579,483 円 37,893,750 円 元金均等の方が 685,733円 安い
総支払利息 8,579,483 円 7,893,750 円 元金均等の方が 685,733円 お得!

表を見ると一目瞭然ですが、最終的な「総支払利息」を見ると、元金均等返済の方が約68万円もお得になります。借入額が5,000万円になれば、この差額は100万円を超えます。

しかし注目すべきは「1回目の返済額」です。総利息を安くするためには、新居購入直後の最も物入りな時期(引越し費用や家具家電の購入などが重なる時期)に、毎月約1万7千円も多く返済し続けなければなりません。返済額が元利均等を下回る(逆転する)のは、なんと15年目以降になります。

5. どちらを選ぶべきか?ライフプラン別の判断基準

利息計算という「数学的な損得」だけを見れば元金均等返済の圧勝ですが、前述の通り実際の契約者の9割は元利均等返済を選びます。あなたのライフプランに合わせて選びましょう。

✅ 「元利均等返済」を選ぶべき人(大多数の一般家庭向け)

  • これから子供が生まれる、または子供が小さく、将来的に教育費がピークを迎える家庭。
  • 住宅購入で貯金を多く使ってしまい、手元の現金を減らしたくない人。
  • 毎月の固定費を極力抑え、余ったお金をNISAなどの「投資(運用)」に回したい人。(※ローンの金利より高い利回りで運用できるなら、元利均等の方が資産形成に有利になります)

✅ 「元金均等返済」を選ぶべき人(余裕資金がある人向け)

  • すでに子供が独立している、または子供を持たない予定(DINKSなど)で、現在の家計に十分な余裕がある人。
  • 夫婦共働きで初期の世帯年収が高く、後々妻が退職・時短勤務になる前にハイペースで元金を減らしておきたい人。
  • 絶対に無駄な利息を1円でも多く払いたくない、という信念がある人。

まとめ:シミュレーションツールで実際の差額を確認しよう

「どちらがお得か」という疑問に対する答えは、「利息の安さ」を取るか「毎月の支払いのしやすさ」を取るかで全く異なります。重要なのは、自分の借入希望額と金利において、「元金均等にした場合、初月の返済額はいくらになり、総利息はいくら得するのか」を具体的に計算して比較することです。

当サイトの「住宅ローン返済シミュレーター」を使えば、借入額や金利、期間を入力するだけで、元利均等と元金均等の両パターンの返済額推移と総利息額を瞬時に算出して比較できます。新居の購入予算を決める前に、ぜひ一度シミュレーションしてみてください。

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